執筆者
となり眼科 院長
院長 戸成 匡宏
経歴
- 2003年3月
近畿大学医学部卒業 - 2003年5月
大阪医科大学(現 大阪医科薬科大学)眼科入局 - 2006年4月
南大阪病院 - 2009年4月
大阪医科大学(現 大阪医科薬科大学)大学院入学 - 2013年3月
大阪医科大学(現 大阪医科薬科大学)大学院卒業 - 2013年4月
大阪医科大学(現 大阪医科薬科大学)助教 - 2020年7月
大阪医科大学(現 大阪医科薬科大学)講師 - 2023年5月
となり眼科 開院
「最近、手元が見えにくくなってきた」と感じたら、老眼(老視)のサインかもしれません。老視は病気ではなく自然な加齢現象ですが、適切な対処で見え方を改善することが期待できます。
40代から始まる、ピント調節力の低下
老視とは、加齢によって目のピント調節力が衰え、近くのものが見えにくくなる状態です。俗に「老眼」と呼ばれ、40代前後から少しずつ自覚し始める方が多くなります。
目の中の水晶体は、周囲の毛様体筋が伸び縮みすることで厚みを変え、遠くや近くに自動的にピントを合わせています。この調節力は若いほど高く、加齢とともに少しずつ低下します。その結果、近くへのピント合わせが難しくなり、手元の文字がぼやける・目が疲れやすいといった症状があらわれてきます。
老眼(老視)の自覚症状が出始める時期には個人差がありますが、一般的には以下のような経過をたどります。
| 年代 | 症状の目安 |
|---|---|
| 40代前半 | 近くの作業で目の疲れを感じ始める |
| 40代後半 | 手元の文字が見づらくなり始める |
| 50代 | 老視の症状が顕著になる |
| 60代以降 | 調節力がほぼ失われる |
「近視の人は老眼にならない」とよく耳にしますが、これは誤解です。近視の方はもともと近くに焦点が合いやすいため、メガネを外すと手元が見えることがあります。しかし、メガネをかけた状態では手元がぼやけるなど、老視の症状は同様にあらわれます。遠視の方は調節力をより多く使うため、老視の症状を早い段階から自覚することが多い傾向があります。
スマートフォンやタブレットを長時間使い続けることで、若い方でも老眼(老視)に似た目の疲れを感じることがあります。これは加齢による老眼(老視)とは異なり、適切な休息と使用習慣の見直しで改善できるものです。ただし、長時間のデジタル機器使用は、加齢による老眼(老視)の進行を早める可能性もあるため、使用時間や姿勢への配慮が大切です。
老視の基本的な対処法はメガネです。用途や生活スタイルに合わせて、以下のような選択肢をご提案します。
近距離専用の老眼鏡、遠くと近くの両方に対応できる遠近両用メガネ、遠方・中間・近方と連続的に対応できる累進多焦点メガネなど、患者さまの視力状態や日常の使い方をうかがいながら最適なものを処方します。
老眼(老視)については、よく誤解されていることがあります。まず「近視の人は老眼にならない」というのは誤りで、近視の方も老眼(老視)は進行します。また「老眼鏡をかけると依存する」という心配をされる方もいらっしゃいますが、適切な度数のメガネを使用することで目の疲れを軽減できます。老眼(老視)は目が悪くなったのではなく、自然な加齢の変化のひとつです。
手元が見えにくいと感じたり、目の疲れが続くようになったりしたタイミングが受診のサインです。無理に目を酷使し続けると、頭痛や肩こりにつながることもあります。「まだ大丈夫かな」と思っていても、早めに一度検査を受けていただくことをおすすめします。症状の程度や目の状態に合わせて、最適な矯正方法をご提案します。
遠近両用メガネには慣れが必要な場合がありますが、度数の選び方や使い始めのタイミングが大切です。となり眼科では、患者さまの生活スタイルや仕事の内容、視力の状態を丁寧に確認したうえで処方しますので、「合わない」と感じた場合もお気軽にご相談ください。