執筆者
となり眼科 院長
院長 戸成 匡宏
経歴
- 2003年3月
近畿大学医学部卒業 - 2003年5月
大阪医科大学(現 大阪医科薬科大学)眼科入局 - 2006年4月
南大阪病院 - 2009年4月
大阪医科大学(現 大阪医科薬科大学)大学院入学 - 2013年3月
大阪医科大学(現 大阪医科薬科大学)大学院卒業 - 2013年4月
大阪医科大学(現 大阪医科薬科大学)助教 - 2020年7月
大阪医科大学(現 大阪医科薬科大学)講師 - 2023年5月
となり眼科 開院
結膜炎は原因によって適切な対処法が異なります。症状が続く場合や悪化している場合は、お早めに当院へご相談ください。
白目とまぶたの裏を覆う「結膜」の炎症
結膜とは、白目とまぶたの裏側を覆っている薄い透明な膜のことです。外からの異物や細菌・ウイルスが目の中に侵入するのを防ぐ、いわば目の防御壁としての役割を担っています。
結膜炎は、この結膜がさまざまな原因によって炎症を起こした状態です。充血・目やに・かゆみ・まぶたの腫れなど、原因によってさまざまな症状があらわれます。
結膜の細胞が健全であれば、多少の細菌やウイルスが触れた程度では炎症は起こりにくいものです。しかし、ドライアイや目をこする習慣などで結膜に傷がついていると、そこから細菌やウイルスが侵入しやすくなります。
普段から目をこするのが習慣になっている方は注意が必要です。
結膜炎は大きく「アレルギー性」「細菌性」「ウイルス性」の3つに分けられます。
花粉やハウスダストなどのアレルゲンが結膜に触れることで起こります。目のかゆみ・充血・涙・目やにが主な症状で、くしゃみや鼻水などの鼻症状を伴うこともあります。
細菌が目に感染することで起こります。白目の充血や黄色みを帯びた目やにが特徴です。原因となる細菌はさまざまで、軽症のものから重症化しやすいものまであります。汚れた手で目を触ることが主な感染経路のひとつです。
ウイルスへの感染によって起こります。感染力が強いものも多く、注意が必要です。
流行性角結膜炎(はやり目) アデノウイルスによる感染で、感染力が非常に強く「はやり目」とも呼ばれます。目の充血・目やに・涙・眼痛のほか、リンパ節の腫れを伴うこともあります。
咽頭結膜炎(プール熱) 同じくアデノウイルスによる感染で、プールを介して子どもに流行することが多いため「プール熱」とも呼ばれます。目の症状に加え、のどの痛みや高熱(39度前後)を伴うことが特徴です。
急激な充血・目やに・ゴロゴロ感が起こり、白目に出血が見られることが多いです。
ヘルペス性結膜炎 単純ヘルペスウイルスによる感染で、目の周囲の皮膚に小さな水疱が現れることがあります。角膜に特徴的な病変を作るのが特徴です。
花粉の多い時期は外出を控えたり、ゴーグル型のメガネや花粉防止マスクを活用したりして、アレルゲンとの接触を減らすことが基本です。ダニやカビの対策として、こまめな掃除・換気・適切な室内湿度の管理も有効です。目を洗いたい場合は水道水を避け、防腐剤無添加の人工涙液を使用してください。水道水は涙を洗い流し、角膜を傷つける恐れがあります。
こまめな手洗いが最大の予防策です。汚れた手で目を触らないよう心がけてください。コンタクトレンズの着脱時には必ず手を洗う習慣をつけましょう。
流行性角結膜炎や咽頭結膜炎は感染力が非常に強く、学校保健安全法で出席停止の対象となっています。感染が疑われる場合は早めに受診し、医師の許可が出るまで学校や職場を休むことが必要です。
家庭内での感染を防ぐために、タオルや目薬の共用を避け、手洗いを徹底してください。感染者が触れたものはアルコールで拭くことをおすすめします。
結膜炎の症状がある場合は、コンタクトレンズの使用を控えることをおすすめします。
目やにが出ている状態でレンズを使い続けると症状が悪化し、重症化する危険性があります。また、コンタクトレンズ自体の素材や汚れに対してアレルギー反応が起きているケースもあるため、症状が続く場合は一度受診して原因を確認することが大切です。
結膜炎で結膜の細胞に傷がつくと、本来の原因とは別の細菌やウイルスが侵入しやすくなります。ウイルス性結膜炎に細菌が混合感染して重症化するケースや、アデノウイルスによる結膜炎の後遺症として角膜炎が続き、視力が低下することもあります。特にお子さまの場合、重症化すると弱視につながる可能性があるため、完治するまでしっかり通院することが重要です。
原因によって異なります。軽度の細菌性結膜炎であれば自然に改善することもありますが、症状が3〜4日以上続く場合や悪化している場合は受診をおすすめします。ウイルス性の場合は感染力が強く、適切な対処をしないと周囲への感染拡大につながります。「たいしたことないかも」と思わず、早めにご相談ください。
ウイルス性結膜炎(はやり目・プール熱)は学校保健安全法により出席停止の対象となっています。医師が感染のおそれがないと判断するまでは登校できません。症状が落ち着いても、医師の許可が出るまでは自宅で療養してください。お早めに受診して、正確な診断を受けることが大切です。